sacqueline’s diary

久しぶりに読書にはまりました。読んでいった本の覚書と読書感想です。

アーサー王宮廷のコネチカット・ヤンキー

マーク・トウェイン 

アーサー王宮廷の(コネチカット)ヤンキー

 

砂川宏一訳(2000)と滝口直太郎訳(1976)

数ページ読みくらべて、砂川さんのほうがしっくり読みやすかった。

滝口直太郎訳は、註釈が充実している。

本文のレイアウトが、とてもインパクトある。  

ということで、

砂川さんで読んでみよう

 

 

 

本当の戦争の話をしよう 

本当の戦争の話をしよう

ティム・オブライエン 村上春樹

 

本当の戦争の話をしようから

戦争は地獄だ。でもそれは物事の半分も表わしていない。なぜなら戦争というものは同時に謎であり恐怖でもあり冒険であり勇気であり発見であり聖なることであり憐れみであり絶望であり憧れであり愛であるからだ。戦争は汚らしいことであり、戦争は喜びである。戦争はスリリングであり、戦争はうんざりするほど骨の折れることである。戦争は君を大人に変え、戦争は君を死者に変える。 

 

 力強く、無慈悲な美しさだ。本当の戦争の話はその美についての真実を語るだろう!たとえその真実の姿勢が醜いとしても。

 

 死への近接は同時に生への近接をも意味している…。銃撃戦のあと、そこには強烈な生きる喜びが存在する。木樹は生きている。草も土も、何もかもが生きている。君のまわりで生きとし生けるものがいきいきと生きている。そして君はその中にいる。その生の

息吹は君の体をぶるぶると震わせる。君は生きている自分自身というものを激しく、皮膚を突き破らんばかりに強く身のうちに感じとるのだ。それは最も真実な君自身であり、君が自分はこうありたいんだと欲し、そして欲するという力によって生まれかわった人間である。悪のまっただなかにあって君は善者ならんと欲する。君は高潔さを欲する。君は正義と礼節と人間の和合を欲する。そんなものを自分が求めているなんてそれまで気がつきもしなかったというのに。そこにはある種の大いなるものが存在している。ある種の神々しさが存在している。変な話だけれど、死とすれすれになったときほど激しく生きているときはないのだ。君は何に意味があるのかを認識する。君はまるで生まれて初めて認識したみたいに新鮮に、君の中の最良のものと、世界の中の最良のものとを認識する。

 

覚え書から

でも、物語を語ることによって、君は自分の経験を客観化できるのだ。君はその記憶を自分自身から分離することができるのだ。

 

グッド・フォームから

私は君に私の感じたことを感じてほしいのだ。私は君に知ってほしいのだ。ストーリーの真実性は実際に起こったことの真実性より、もっと真実である場合があるというこおを。

 

死者の生命から

「でも、死んでいるときには、私はまるで…なんて言えばいいのかしら、それはちょうど誰も読んでない本の中に収まっているような感じだと思う」

「だからただ待つしかないわけ。誰がそれを手に取って読み始めてくれることをね」

 

覚えておきたいことをつらつらと書いていきました。

感想はまた今度

 

 

供述によるとペレイラは…

アントニオ・タブッキ (イタリア ポルトガルをこよなく愛する)

 

「供述によると」ではじまり、「そうペレイラは供述している」でおわる。

誰に・どこで・いつ、供述しているのかはあかされないままおわる。

 

あんなに政治にはかかわりたくないと思っていたペレイラ

独裁国家、秘密警察、身辺をかぎまわる近隣に対して、知らない・感じないふり・距離をとっていたペレイラ

ある若者に出会い、独裁、警察に対して、変化していくペレイラ。 

力強く出発するペレイラ

 

この供述が、

捕まってではなく、

平和な世界で過去の出来事としての証言だといいけれど。

 

 

 

軽蔑

アルベルト.モラヴィア (イタリア) 

大久保昭夫訳

 

読後の感想、めんどくさい男。

 

もう一度、出だしを読んでみる。

結婚して最初の二年間は、妻とわたしの関係は完全なものだった。

本当に?

語り手の゙リッカルドが、そう思いこんでいただけなのかも…。

リッカルドは、悩み·いろいろ思いめぐらす·考えるけど、いざ対話になると問題が生じる。

思い描いていたような返事を見いだせない。

相手の話を聞こうとしない。

理解しようとしない。

 

夢・幻覚のなかで、

言ってほしいと思っていたすべてのことを言わせ、とって欲しいと願っていた態度をとらせたのであった。

なんだかなぁ~。

 

小説の構成が、面白い。

楽しく読めました。 

 

 

 

 

 

マイトレイ

ミルチャ・エリアーデ  

 

…まだ私のことを覚えているだろうか、マイトレイ?

そうして、覚えていたら、私を許してくれるだろうか?……

 

このはじまりが好き。

 

 

エリアーデは、とりあえず酷いやつと何度も独り言をつぶやいたことか。

けど、中盤から

インドを体現したような神秘的な魅力のある女性に

恋?魅了?されていく様、情熱的な愛、ふたりだけの秘密、叶わない愛、ひき裂かれた愛、をとても美しく、リズムよく描いている。

 

一気に読み終えました。

 

彼女が書いたit does not dieを読んでみたい。

マイトレイは、ゆるさないだろうなぁと私は感じてるけど、どうなのかしら?

 

イワン·デニーソヴィッチの1日

ショーホフは、すっかり満ちたりた気持ちで眠りに落ちた。…一日が、少しも憂うつなところのない、ほとんど幸せとさえいえる一日が過ぎ去ったのだ。こんな日が、彼の刑期のはじめから終わりまで。三千六百五十三日あった。閏年のために、三日おまけがついたのだ…

ソルジェニーツィチ

 

好きなおわり方。

本当に

ショーホフと一緒に目まぐるしくなが〜い1日をすごした感じ。