sacqueline’s diary

久しぶりに読書にはまりました。読んでいった本の覚書と読書感想です。

本当の戦争の話をしよう 

本当の戦争の話をしよう

ティム・オブライエン 村上春樹

 

本当の戦争の話をしようから

戦争は地獄だ。でもそれは物事の半分も表わしていない。なぜなら戦争というものは同時に謎であり恐怖でもあり冒険であり勇気であり発見であり聖なることであり憐れみであり絶望であり憧れであり愛であるからだ。戦争は汚らしいことであり、戦争は喜びである。戦争はスリリングであり、戦争はうんざりするほど骨の折れることである。戦争は君を大人に変え、戦争は君を死者に変える。 

 

 力強く、無慈悲な美しさだ。本当の戦争の話はその美についての真実を語るだろう!たとえその真実の姿勢が醜いとしても。

 

 死への近接は同時に生への近接をも意味している…。銃撃戦のあと、そこには強烈な生きる喜びが存在する。木樹は生きている。草も土も、何もかもが生きている。君のまわりで生きとし生けるものがいきいきと生きている。そして君はその中にいる。その生の

息吹は君の体をぶるぶると震わせる。君は生きている自分自身というものを激しく、皮膚を突き破らんばかりに強く身のうちに感じとるのだ。それは最も真実な君自身であり、君が自分はこうありたいんだと欲し、そして欲するという力によって生まれかわった人間である。悪のまっただなかにあって君は善者ならんと欲する。君は高潔さを欲する。君は正義と礼節と人間の和合を欲する。そんなものを自分が求めているなんてそれまで気がつきもしなかったというのに。そこにはある種の大いなるものが存在している。ある種の神々しさが存在している。変な話だけれど、死とすれすれになったときほど激しく生きているときはないのだ。君は何に意味があるのかを認識する。君はまるで生まれて初めて認識したみたいに新鮮に、君の中の最良のものと、世界の中の最良のものとを認識する。

 

覚え書から

でも、物語を語ることによって、君は自分の経験を客観化できるのだ。君はその記憶を自分自身から分離することができるのだ。

 

グッド・フォームから

私は君に私の感じたことを感じてほしいのだ。私は君に知ってほしいのだ。ストーリーの真実性は実際に起こったことの真実性より、もっと真実である場合があるというこおを。

 

死者の生命から

「でも、死んでいるときには、私はまるで…なんて言えばいいのかしら、それはちょうど誰も読んでない本の中に収まっているような感じだと思う」

「だからただ待つしかないわけ。誰がそれを手に取って読み始めてくれることをね」

 

覚えておきたいことをつらつらと書いていきました。

感想はまた今度